第2章

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親父が昔言っていた。 出会いは最悪の方が良い。 それより悪くなる事は無いから、後は上るしかないから だそうだ。 変な話だが、 俺がそんな言葉を思い出すのは、まだまだ先のお話。 「で、何でお前がついて来るんだ。やっぱりお前ストーカーなのか?」 俺が半ば本気で聞くと 「何言ってんの、自意識過剰何じゃないあんた。私は自転車通学だから駐輪場に来てんでしょうが。」 と、あからさまに溜息をつくおっきな女。 「それと、あんたねぇ、人の事お前とか偉そうに言うな。チビのくせに。私はお前じゃなくて戸田。」 続けて喋るおっきな女、もとい戸田。 「チビって言うな、それとあんたじゃなくて、永村だ。」 すると戸田は怠そうに 「はいはい分かりました~永村君」 と言った。 何と可愛いげの無い女なんだろうか。 「なぁおま・・・戸田は何でこの学校に来たんだ?」 取りあえず話題を振ってみる。 「永村君はどうしてここにしたの?」 「えっ、家から近かったからだけど?変か?」
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