第2章

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買い物を済ませた俺はスーパーの外に出る。ついでに言うと、キャベツは買った。安いし。 「あれっ、永村は自転車じゃ無いんだ。永村の家の方向だとここから遠くない?」 確かに俺の家からこのスーパーは遠いがこの近くにはコンビニは結構あるが、スーパーはここしか無い。 「いや、今日はかなり買うつもりだったから重くなるし、自転車に乗せられなくなるから歩きできたんだよ。」 「へぇ、確かにかなり買ったね。でも、そんなに沢山一回で買わなくても良かったんじゃないの?」 そう言って両手に袋をぶら下げ、両肩にも持参の買物袋を掛けている俺を見る。 「だって何回も来んの面倒くさいし。そう言う戸田はチャリじゃねぇのかよ。」 わしゃわしゃと両手の袋の音を立てて歩きながら戸田に聞く。 「私は家近いもん。わざわざ自転車乗るのも何かねって感じだし。」 「戸田の家ってここの近くだったか、知らなかった。」 あぁ重たっ、と袋を持ち直して言う。 そんな感じで、二人並んで暫く歩いていたらさっき金を降ろしたコンビニの前に来た。あの店員は居るかと少し気になったので店内を見てみるが店員は見当たらなかった。余り興味も無かったからそのままコンビニを通り過ぎる。 その後、コンビニの自動ドアが開き二人の後から声がかかった。 「おい、仁。お前こんなとこで何してんだ。」
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