第2章

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危ない危ない、かなり自然な流れだったから普通に聞き流しかけたぞ。 「それに、戸田は自分ちの買い物行ったんだから帰らないとまずいだろ。」 「う、それもそうだよね。」 俯いてしょげる戸田。でも、俺だってそこまで気の利かない奴という訳ではない。 「って、事で巧。戸田を家まで送って行ってくれ。」 「えぇ、んじゃ仁の家に行くのは無しな訳?」 俺が巧にそう言うと巧は子供みたいに文句を言った。面倒くさいが仕方ない。戸田のために、少し頑張ってやろう。 「なら、戸田送った後で来いよ。飯くらいなら出してやるから。」 「おっしゃ、分かった。戸田送ったら行くからそれまでに飯作っとけよ。」 それじゃあ行きますか。と、巧は戸田に話し掛けるが 「え、でも悪いよ。私別に一人でも帰れるし。」 「良いの、良いの。戸田は女の子なんだしこんな夜道を一人で帰らせられないよ。それに、仁には飯作って貰えるしな。」 「そ、それじゃ、お願いしようかな。」 戸田は突然の事でかなり焦っていたみたいだが、巧の言葉を聞いて大人しくなった。 そこで、二人と別れて俺は戸田に今度何を奢らせようか考えながら家に帰った。
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