第2章

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「それはさすがに悪いよ。」 「良いって、良いって、俺から言っとくからさ。あっ、ここ戸田の家?」 巧君と話しているといつの間にか「戸田」と表札に書いてある私の家についていた。なんだか短いような、長いような感じだったなぁ。 「じゃ、俺は仁の家行くから。」 私の家につくやいなや巧君はそう言って軽く手を振って走り出した。 「あっ・・・」 お礼を言い損ねたと思ったら、巧君が振り向いて言った。 「明日は弁当いらねぇからなぁ~。」 「分かった~。今日は送ってくれてありがとう~!」 私はまた走りだそうとする巧君の背中に向かってそう叫ぶと巧君にも聞こえたらしく、また軽く手を振って行ってしまった。 巧君の背中が見えなくなるまで家の前に立ち、少しほうけていたけれど我にかえり送って貰った事を考えると急に恥ずかしくなった。 「私、巧君に送って貰ったんだよね?」 多分、今私はものすごくマヌケな顔をしていると思う、だって巧君と帰れたんだから。 そしてもう少したった頃に「ただいま」と言いながら家に入った。
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