始まりの日

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「おら!! さっさと出すもん出せよ!!」 三階に上がり着いた時、威勢のいい声が聞こえた。 階段を上ってすぐのところにあるトイレからだ。 「かつあげかなー?」 「朝からか? はっ。鬱陶しいな」 朝から下らねえことやってんじゃねえよ。 朝は平和でいたい俺にとってはさっきの声は苛立ちを覚えさせるのには十分で、薄っぺらで軽い鞄を裕也に渡した。 俺がこれからとるべき行動を理解した裕也はすんなりと鞄を受け取り、笑顔で手を振る。 「いってらっしゃーい」 と。 裕也に向かい片手をひらひらさせると、トイレの入り口に立つ。 トイレの中にはいかにも優等生です!! って見た目から言っているような眼鏡で前髪が七三の男と、そいつを脅す三人の柄の悪そうな奴がいた。 ……髪を真っ赤に染めている俺は人のこと言えないか。 四人は俺に全然気づいていないようで、髪を金に染めた男が優等生君から無理矢理財布を奪おうとした。
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