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「何やってんだよ?」
声を発せれば、弾かれたように振り返り俺の存在に気づく。
俺の姿を確認した瞬間に広がったのは、動揺。
「何やってんだよ、って聞いてんだよ」
さっきよりも強めに言い、トイレの中に足を踏み出して距離を縮めれば、怯えるようにして奴らは数歩後ずさる。
聞いてんのに答える気はないようだな。
「お……い。ヤバくないか? ……狂犬だぞ」
「うるせぇ!! 狂犬がなんだ!? 向こうは一人だけだぞ!!」
焦る坊主の男の言葉に、金髪の男は俺を睨みつけながら拳を構えた。
どうやらやる気のようだ。
面白い。
身内で血が暴れだすのを感じる。
最近は暴れていなかったからか、久しぶりの喧嘩に嬉しむ自分がいた。
「来いよ」
ニヤリと笑い挑発すれば、奴らは一瞬怯むが思い出したかのように坊主の男が殴りかかってきた。
さて、暴れさせてもらいますか。
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