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「んなパンチ、効かねえよ」
不敵に笑い、素早く短髪の男の腹に蹴りをいれる。
短髪の男は吹っ飛び、壁にぶつかると声もなく倒れた。
一瞬のことにさっきまで喜んでいた金髪の男の表情が険しいものに変わり、俺から逃げるようにじりじりと距離を空ける。
俺を殴ったてめえは決して逃がさねえよ。
「てめえ、弱いだろ?」
「なっ!? 馬鹿にすんな!!」
俺の言葉にカッとなり向かって来る。
安い挑発に乗るのは弱い証拠だってのに。
俺も距離を詰めながら金髪の男の攻撃を軽々と避けると、一気に懐に潜り込む。
こうも簡単に潜り込ませるってことは、こいつ威勢だけで喧嘩慣れしてねえな。
胸ぐらを掴みあげると顔を近づける。
「いいか? 殴る時はな、こうやって殴るんだよ」
拳を強く握り後ろに振りかぶる。
「や、やめろっ……」
金髪の男は逃げようとするが、掴んでいる手を離すわけがない。
そして振りかざした拳を勢いよく男の顔面に叩きつけた。
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