標的

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「ま……まだ何か?」 何なんだよ一体? 早く帰りたいんだけど。 顔をひきつらせながら振り向けば、そこには意地悪い笑みを浮かべる菊原先輩が。 「俺を使っといてそれだけは、ないよな?」 「は?」 使っといてって、うちが頼む前に自分が勝手に職員室の扉を開けたんじゃ……。 それを声にだしてこの勘違いな先輩につっこもうとしたが、菊原先輩の言葉によりそれは阻止されてしまう。 「礼として、俺と付き合え」 ……。 「冗談に付き合ってるほど暇ではないので……失礼しまーす!!!!」 突然意味分からないことを言う菊原先輩の手を朝同様振り払うと、後ろを振り返らずに走った。 そりゃあもう自己新記録がでるんじゃないかってぐらいの猛スピードで。 逃げ去ったうちは菊原先輩の呟きを聞き取ることはできなかった。 「ぜってえ、捕らえてやる」
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