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「私は工藤環。人気者の先輩達とご飯食べれて嬉しいです」
金髪の女、工藤の自己紹介が終われば、次は嫌そうな顔をする鬼塚の番になった。
「……鬼塚守です。よろしくしないで下さい」
おい。なんだその紹介は。
よろしくしないで下さいって、よろしくするつもりなんだが。
さて、次は俺の番か。
「菊原恭だ」
裕也と違い、短く自己紹介を済ますと、ようやく飯を食べる時間になった。
俺がコンビニ袋からいつものコーヒーとパンを取り出せば、鬼塚は弁当の蓋をとる。
弁当の中身を盗み見れば、卵焼きやらウインナーやらハンバーグやら、いかにも女が好きなもんがはいっていた。
なかなかうまそうだな。
じーっと見ていれば、それに気づいた鬼塚が俺を見た。
「欲しいんですか? あげませんよ」
「いらねえよ。それ手作りか?」
「そうなんですー!! 守の手作りお弁当なんです!! おいしそうでしょ?」
横から工藤が割り込んできた。
いやいや、てめえには聞いてないんだが。
てか、こいつ自分で弁当作ってんのか。
「なぁ、今度俺の分も作ってこいよ」
「はぁっ!?」
素直に鬼塚の弁当が食べたくなり言えば、怪訝な顔で見られた。
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