宣戦布告

29/32
前へ
/797ページ
次へ
「私は工藤環。人気者の先輩達とご飯食べれて嬉しいです」 金髪の女、工藤の自己紹介が終われば、次は嫌そうな顔をする鬼塚の番になった。 「……鬼塚守です。よろしくしないで下さい」 おい。なんだその紹介は。 よろしくしないで下さいって、よろしくするつもりなんだが。 さて、次は俺の番か。 「菊原恭だ」 裕也と違い、短く自己紹介を済ますと、ようやく飯を食べる時間になった。 俺がコンビニ袋からいつものコーヒーとパンを取り出せば、鬼塚は弁当の蓋をとる。 弁当の中身を盗み見れば、卵焼きやらウインナーやらハンバーグやら、いかにも女が好きなもんがはいっていた。 なかなかうまそうだな。 じーっと見ていれば、それに気づいた鬼塚が俺を見た。 「欲しいんですか? あげませんよ」 「いらねえよ。それ手作りか?」 「そうなんですー!! 守の手作りお弁当なんです!! おいしそうでしょ?」 横から工藤が割り込んできた。 いやいや、てめえには聞いてないんだが。 てか、こいつ自分で弁当作ってんのか。 「なぁ、今度俺の分も作ってこいよ」 「はぁっ!?」 素直に鬼塚の弁当が食べたくなり言えば、怪訝な顔で見られた。
/797ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15341人が本棚に入れています
本棚に追加