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「わっ!?」
強く引っ張られた鬼塚はバランスを崩し、俺の胸に背中から倒れるようにして飛び込んでくる。
そしてすかさず鬼塚の腹に腕を回して逃げれないよう、抱き締めた。
「げぇっ!? どういうこと!? 離してよ!!」
状況を把握した鬼塚が、驚きながら俺達を見ている工藤と小池の前で、腕を振り解こうと暴れだした。
鬼塚は裕也を撃沈させたほどの奴だが、所詮は女。
鬼塚の力では俺の腕は解けない。
「放してもらいたいか?」
「当たり前!! 放して下さい!!」
「だったら俺と付き合えよ」
耳元で囁くように言えば、「はぁっ!?」と盛大で嫌そうな声をあげる。
「誰があんたなんか迷惑極まりない人と付き合わないといけないんですか!? 絶対やだ!! マジで嫌だ!! 死んでも嫌だ!!」
おいおい。嫌を言い過ぎだろ。
だがそんなに拒否ってもな、俺は諦めねえぜ。
この興味心が満たされるまでは絶対に諦めねえ。
「俺に惚れさせてやるよ」
これは宣戦布告だ。
絶対に、時間をかけてもてめえを俺に惚れさせてやるよ。
首筋にキスをひとつ落とすと、鳥肌をたてた鬼塚をやっと解放する。
今はそんなに嫌かもしれねえが、いつか必ずてめえから求めるようにしてやるよ。
解放された鬼塚は俺を睨みつけると、逃げるように校舎の中に入っていった。
俺はてめえを絶対に逃がさねえからな。
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