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「はい」
「っ!?!?」
び、びっくりしたぁっ!!
ぼんやりしてたら突然声が降ってきて、お茶って文字が目の前にあるのだけど。
何度も瞬きをして見れば、それはお茶の缶。
それを差し出してきたのは
あいつ、だ。
「まだ、何か用?」
「これ飲んで落ち着いた方がいいですよ」
「また、余計なお節介してくれるのね」
嘲笑いを浮かべてホットの缶を受け取るけど、そいつは表情を少しも歪めないで、私の隣に人一人分の距離を空けて座った。
ほんと、まだ何か用?
「情けない、ですね」
「はぁっ!?」
唐突に何よこいつ!? 喧嘩売ってんの!?
「だってそうじゃないですか? 何があったかは知らないし聞きませんけど、どんな理由があっても自分を売ろうとするなんて、情けないとしか言いようがありません」
「なっ!? ずけずけと分かった風に説教!?」
「説教なんて大層なものじゃありません。それに」
細い目が、鋭い光を帯びて私を見た。
「説教する価値、貴女には無い」
「な、なっ、なっ!!」
んなのこいつぅぅぅ!!
ずけずけと酷いことを何食わぬ顔で言ってきて!!
何がしたくて私の隣にいるの!?
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