とある兄弟の嘆き

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「う゛……う゛ぉぉぉっ」 ぐわはぁっ!! 駄目だ!! 酒の力も相まって、涙が両目から駄々漏れて視界はぐっちゃぐちゃだぜこんちくしょぉぉぉ!! 「ねぇ。どうしたの? たけちゃん」 両目を腕で覆って豪快に泣いていりゃぁ、俺の向かいの席に座ってる女が不思議そうに聞いてきた。 …………。 ん? そういやぁこの女…… 「誰だ?」 つけまつげに茶の巻き髪に胸元の開いたワンピースの、今風のギャル。 見覚えのあるよーなないよーな……なんて考えてりゃぁ、女の顔は真っ青……になったかと思えば、次は真っ赤になった。 さっさと顔色変えるなんて、カメレオンみたいな女だな。 「そ、れっ、本気で言ってないよね!? 冗談……で言ったんでしょ?」 「え? 俺、まじで聞いたんだけど? お前誰だっけ?」 「◇#○%∂ゐ∽∵∀●#!!」 顔を真っ赤にさせて立ち上がって、何か喚きだしたけどよ、言葉になってねぇよ? 女を見上げてれば 「っ!?」 おおおおおい!! 水ぶっかけられたんだけどぉぉぉ!!
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