始まりの日

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女は直ぐに泣く。 少しでも傷つけば泣き 思い通りにならなければ泣き 同情されたければ泣き 味方をつけたければ泣き 泣いて自分の都合のいいようにし、被害者ぶる。 だから俺は女の武器とやらの涙が嫌いだ。 泣く女が嫌いだ。 「恭はいつになったら彼女つくんのさー?」 裕也の問いに俺は肩を竦めた。 「つくる気なんてねえよ。すぐ泣くからいらね。そういうお前はつくんないのかよ?」 「俺は探求者だから只今探し中ー」 何故かブイサインを作ってにっこり笑い言う裕也に聞かなければよかったか? と後悔の念がよぎった。 「恭のタイプはどんな子?」 再び聞かれる問いに答えは簡単にでる。 「泣かない女」 と。 そんな女はいるわけがないことは勿論知っている。 全ての女は悲劇のヒロインぶりたがるのだから。 だから俺は彼女はいらねえ。遊ぶ程度が丁度いい。 さっきの女みたいなのはうんざりだが。
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