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急に廊下が騒がしくなった。
女子達が甲高い声をあげだしたのだ。
嫌な予感がする。
この現象って、今日の昼間にも起こったよね。
「守ちゃん? どう……したの?」
「ものすっごい嫌な予感が……」
クラスの女子達が悲鳴に近い声をだし、より一層騒がしくなった時、ゆっくりと、恐る恐る教室の入り口に振り向いた。
「鬼塚!! 帰るぞ!!」
「最悪……」
現れた人物を見て、猛烈この教室から逃げたい衝動に駆られた。
でも廊下に出たらすぐ捕まりそうだし……窓から……。
それはやばいか。
「この俺がわざわざ来てやったのに、逃げる気かぁ!?」
どうしようかおろおろしていれば、菊原先輩が更に言葉を発し、その言葉にクラスの女子達が騒ぎだす。
「守ちゃん!! 菊原先輩がわざわざ来たんだから一緒に帰りなよ!!」
「そうよ!! 菊原先輩が可哀想じゃない」
「菊原先輩のお誘いを断ったりしたら、みんなを敵にまわすよ!!」
クラスの女子達がうちに向かって次々と非難する。
敵にまわすって……なんでそうなんだよ。
そんな風にクラスの女子達に言われたら、逃げることができなくなり、身動きもとれないでいた。
素直に菊原先輩と帰るしかないのか!?
迷惑極まりない先輩と!?
屋上で変な宣言した先輩と!?
うぅ……嫌すぎる。
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