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小鈴ちゃんを背中に庇い、金本先輩に向かってファイティングポーズをとった。
それを見た金本先輩はきょとんとして、うちを指差す。
「それはどういう意味なのかなー?」
「どういう意味って、金本先輩が小鈴ちゃんをいじめないようですが?」
つまり、いつでも金本先輩を殴れるように。
先輩後輩の上下関係?
そんなもん知らないよ。
「分かったよぅ。何もしないから、ね? 隠れないで」
優しい声で、少しだけ身を屈めて、小鈴ちゃんに話しかける。
優しい態度をしても金本先輩に警戒を解くことができないでいるうちに対して、小鈴ちゃんは警戒を解いたのか、うちの背後からでてきた。
おどおどしながらうちの横に立ち、金本先輩を見る。
「ほん……とうに、何も……しな……い……ですか?」
お腹の前で組んだ手をもじもじさせながら、大きな目で金本先輩をちらちらと見る。
小鈴ちゃん……その顔はやばいよ。
うちが何かしたくなるよ。
……いやいやいや!! 確かに小鈴ちゃんは好きだけど、そんな趣味はないからね!!
金本先輩はにこりと微笑むと、頷いた。
「約束するよー。何もしないって。
さぁ、手をつなごっか?」
「「してるじゃねえか!!!?」」
……ん?
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