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横を見れば、菊原先輩と目が合った。
……え?
さっきもしかしてこの人と声がかぶってしまった?
まさかねーと思っていれば、菊原先輩が面白そうににやりと笑った。
「俺達気が合うようだな」
ああああああ。
やっぱりこの先輩とかぶってしまったんだ。
気が合うとか……。
うちは合いたくないっての!!
あからさまに顔を歪めて、肩を落とした。
それに気づいていないのか、菊原先輩は楽しそうに歩いて行く。
菊原先輩の進む道……。
ちくしょー。帰り道同じかよ。
もし家の方角が違うなら、すぐに菊原先輩に解放される!! という甘い思惑は無残にも砕け散った。
とぼとぼと落ち込みながら足を動かした。
「小鈴ちゃん、また明日ね」
住宅街のある十字路につき、いつもここで別れる小鈴ちゃんに手を振る。
すると嬉しそうに金本先輩が小鈴ちゃんの側に駆け寄った。
「小鈴ちゃんもこっち!? 俺もこっちなんだよねー。嬉しいなー」
なんですと!?
小鈴ちゃんに身の危険がっ!?
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