始まりの日

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「泣かない女って……。そんなに泣かれるのが嫌?」 「ああ。涙は女の武器っていうが、俺にはうざいだけだ」 「ふーん。相変わらず嫌いなんだねー」 裕也は両腕を空に向かい伸ばして伸びをすると、校舎の中に向かう。 教室に戻る気なのだろう。 さて。俺も教室に戻るとするか。 進級し、新しいクラスに。 腕を伸ばし、腰を捻って体をほぐすと裕也に続いて校舎の中に向かった。 涙は女の武器。 俺にはそれが鬱陶しいだけで苛立つ原因だが、その考えが変わる出会いがあることをこの時の俺は想像もしていなかった。
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