死体観賞

4/17
前へ
/63ページ
次へ
 うむ、夢への切符を購入して潜在意識を足に、現実逃避旅行からの日帰りにしては、なかなかの悪文を脳ミソの皺から絞り出せた。なぜだか達成感はない。  瞼から涙を欠伸が抽出しながら唇が艶かしさを無理に意識して舌が滑る。長い時間上映された、理解の行き届かない居心地の良い夢から起きた充足感に包まれている様で、心なしか気分的に浮遊感が口元にも感じられた。視界に霞がかけられ、幻想的にきらびやかなのは、寝ぼけ眼のせいである。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加