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僕の真実の支柱は欺瞞
「もしもし、また会ったね」
「君は…いつぞやの観覧車だね」
「実のカレシに向かってまさによそよそしい態度だね。君は、僕が目の前で回転した記憶があるのかい」
「3時のおやつはプリンだったね。美味しかった?」
「そりゃあもう、甘味を装った物理的な棘がノドを削って…もう一度あんな美味な物を口にしようなら、畏れ多すぎて昇天するな」
「みなさんは貴方にご退場願ってますが、そこのところ、どう思いますか?」
「祖父は立派な人でした。今でも尊敬していました」
「私は、君がいつか、君のポケットでぞんざいに扱われたイヤホンの絡まりに捲き込まれてこの世の人で無くなる事を望んでいたのに」
「人智を超えたハイパー・イヤホンの挑戦に、俺は勝つ!」
「まるで便所清掃員のような逞しさ」
「便所の由来は、便利な所からきてるんだぜ」
「それは君がキノコを食べられないくらい知らなかった」
「それはエリア55レベルのトップシークレットだ。誰から聞いた?」
「君の弁当はいつもキノコは入ってなかったよね?」
「限りない無限の可能性に消去法を採用しただと…?キサマ、身体は子供だな?」
「ロリコンの気は前からあるのは知っていましたか?」
「こら、白状しないの」
「疑問に否定しないのは肯定だよね」
「デートに行きたかったな、君と」
「大丈夫、今から君一人で逝くんだから」
「おい、誤変換」
「困ったら、君の内ポケットに……」
「その前に、最期に僕の話に君の時間を傾けてくれないか?」
「うん?」
「誰よりも親しい人間を殺していった君にとって、最も近く、側にいた僕を今まで手にかけなかったのは、僕の事をなんとも思っていなかったからか?」
「………………」
「それともそれは大切な時間だった?」
「………………………………………」
ぼそぼそとその動揺で乾いていそうな唇を挙動を小さく上下運動を繰り返したのを僕は見た気がしたが、多分彼女は、答えなかった。
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