第二頁:前日の昼より

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「じゃあ、明日の私の誕生会にはその魔女がくる訳ね?」 私の名はエレーナ。 この国で王の血を直接引く唯一の人間だ。 明日は私の16歳の誕生日。 今から十五年前、魔女がこのお城にやってきて16の誕生日に招待しろと言ってきたそうだ。 私から言わせれば最初から呼んでおけばよかったと思うのだが…。 王である父やこの国の国民のほとんどは、宗教の影響か魔のつくものを嫌っている。 「そうなのだ…心配だとはおもうが…どうか堪えてくれ。」 …別に心配じゃないし。 「城にはいつもより兵士を置こう。」 全く、心配症はどっちよ。 「あら、どうして? きっとその魔女はいいひとよ。」 「なにをいうか、魔女だぞエレーナ。 なにか企んでいるに決まっている!」 はいはい。 もう、しょうがないんだから。
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