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卒業式の日。
あたしは屋上で俊を待っていた。
雲一つない青空に向かって、ゆっくりと両手を突き上げる―
俊に届くように…
俊、好きだよ。
大好きだよ。
何度でも言うよ…
あなたに
俊に
恋してるの
届いてるよね?
恋するあなたにはあたしだけなの…
「花っ!」
振り返るとそこには愛しい人の顔があった。
―まだ少し冷たい春の風があたしたちの背中を押すように吹いた。
【end】
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