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いつの間にか、のんちゃんはスヤスヤとねています。
『ぼくのからだが小さくなってきてる!』
スノーは部屋の温かさでだんだん溶けてきてしまったのです。
─────
『ただいま。のんちゃん良い子にしてた?』
『ママー。おかえり!』
のんちゃんは飛び起きるといつものようにママに抱きつきました。
『のんちゃんさみしくなかった?』
『さみしくなんかないよ。
だってね、スノーがずっといたから。』
『スノー?』
『うん、雪だるまさん。』
のんちゃんが指さした場所には、小さなみずたまりがあるだけでスノーのすがたはありませんでした。
のんちゃんは、自分のせいでスノーがとけてしまったと思い悲しくなりました。
涙がこぼれそうになったその時です。
『約束だよ。』
のんちゃんはスノーの声が聞こえた気がしました。
約束...
のんちゃんとスノーの約束...
『そうだ。のんちゃんはもう泣かないんだ。』
のんちゃんは出そうな涙をこらえて
『ママ、のんちゃんね、もう泣かないんだよ。
やくそくだよ。』
のんちゃんは、にこにこ笑顔でママと指きりげんまんをしました。
おわり
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