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楽屋でのとある風景
橙赤の場合
ガチャッ!
でっかい音立てて閉まった扉に賑やかだった楽屋内が一瞬にしてシーンと静まり返った。
コイツを見ただけで誰でも分かる不機嫌さ。ごく稀に姿を見せる『悪マル』。
ドカドカ足音を立てながら、楽屋の隅っこに鎮座しとる一人掛けソファにドカッと腰掛けて、マルは眉間にシワを寄せて床を睨み始めた。
あーあ、大倉と亮なんかさっきまでギャーギャー言いながらヤスの取り合いしとったのに、今はえらい静かやし。
ヨコと雛はあんま気にしてへん。
けど、メンバーは『悪マル』を腫れ物に障るようにしか扱えん。
まぁ無理ない。あんな不機嫌の塊、突っついた方が後から痛い目見るんやから。
「……………」
相変わらず楽屋の中は沈黙状態。
あかん、すばちゃんはこれが堪えられへん!
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