―幻想郷―

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「あぁ、にとりがな……荷物を取りに来いって」  慎の言葉に咲夜はただ頷くだけだった。 「早く行こう……レミリア達が待ってる」 「そうね……走る?」  慎の言葉に笑顔で返答する咲夜。 「走るか…… まぁ、重いものは無いしな……荷物は?」  慎は何だかんだで、屈伸をしながら話す。 「そのくらい私が持つわ♪」  咲夜は微笑しながら言った。 「よし……行くか」  慎は言葉と同時に地を蹴り走り出す。  咲夜は……飛んだ。 ――― ――――― 「慎……貴方、速いわね」  紅魔館の門の前……咲夜は慎の速さに感心していた。 「良くあるだろ? 幻想郷(ここ)に来て身体機能が上がるの……」 「流石に此処までの人は居ないわよ」  余裕そうに話す慎に咲夜は苦笑いしながら答える。 「そのうち凄いのが現れる気がする……まっ、負けないけどな」  空を見上げながら思い詰めたように言う慎を、咲夜は静かに見つめた。 「ほら、早く入って作ろっ♪」  咲夜は慎の背中を押しながら、館の中に入っていった。
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