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―紅魔館・館内―
咲夜と慎により、テーブルにはシチューとグラタン……そして、サラダが並んでいる。
「さて、レミリア……待たせたな」
慎の言葉にレミリアは笑みを見せた。
「それで……一つ聞きたいんだが、なんで和音が?」
慎は納得しないような表情を見せる。
「なんだ? オレがいたら可笑しいか……慎?」
和音はあたかも自分がそこに居るのが当然のように言う。
「私が呼んだのよ……多い方が愉しいでしょ?」
レミリアは犬歯を見せながら笑った。
「そう言うことだ……別に毛嫌いしなくても良いだろ?」
和音がレミリアの言葉に続けていう。
「別に毛嫌いなんか……」
「それともオレが居たら悪いことでも?」
慎が取り皿を用意をしていると、和音はからかうように言った。
「何も……食えばいいだろ」
慎は和音の前に皿を差し出す。
「そうか、じゃいただくよ……」
レミリアの号令のもと、食事が始まる。
パーティーでは無いため、皆口を開かない。
「フラン、これあげるわ……」
レミリアはシチューに入っていた人参をフランのシチューの器に入れた。
「ありがと……おねぇさま」
フランは素直に礼を言った。
「まだ入ってるわ……ハイ、フラン」
レミリアはまた人参を入れる。
「いや、もういいよ?」
「ワガママ言わないの……ハイ」
フランが止めるもレミリアは問答無用で人参を入れる。
「おねぇさま……もしかして、にんじんキライ?」
フランはじと目でレミリアを見る。
「ばっ、バカ言ってんじゃないわよ……私が人参を嫌いだなんて……」
「私はフランに大きくなって欲しいだけよ!」
レミリアは焦ったように言った。
「あっそう……」
フランはつまらなそうに軽く流した。
「なっ、姉に向かって!」
レミリアは興奮したのか、席を立つ。
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