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「ゐヤッホー!!」
妖怪の山……目の前に広がるのは、一面の銀世界。
今日は、揃いもそろって雪と戯れに来ている。
「和音さん、そのスキーとやら……非常にお上手ですね!」
黒い一対の翼を持つ少女……鴉天狗の射命丸 文(しゃめいまる あや)が外来人の秋風 和音(あきかぜ かずね)に言った。
「そう? ありがとう♪」
和音は微笑みながら返答する。
「それにしても、皆さん下手っぴですね……慎さんに至っては、滑ろうとすらしないし……」
顎に手を当て、ボヤく文の足元にもしっかりスキーの板が装着されている。
「慎は、ビビりなんだ……全く、笑っちゃうよ」
和音は小馬鹿にするように小さく笑う。
「はぁ……貴方達外来人は、雪でこんな風に遊ぶのね……」
和音の後ろからスキマと言われる境界から顔を覗かせる女性……八雲 紫(やくも ゆかり)が呟いた。
「元気がいいのは、あの氷精ぐらいじゃない……他は、そのスキーとかいうのに四苦八苦ね」
紫は大きな溜め息をつきながら、話す。
だが、何だかんだで出来ている魔理沙に咲夜、そして運動神経の塊、美鈴も例外なくスキーを乗りこなしている。
以外なのは、霊夢が巫女服でスキーをやっている事だ……しかも上手い。
「あややや……皆さん、馴れたのか上手くなってきましたね……そいえば、玲医さんは?」
ストックを刺し、止まりながら文が聞く。
「玲医は……ほら、あそこ……フランなんかとソリやってるよ……」
和音は上の方を指差しながら、言った。
「あや? 和音さん……慎さんが立ち上がりましたよ?」
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