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「チルノ……そこら辺に『アイシクルフォール』でもやってくれ」
外来人、火村 慎が雪上に立ちながら言う。
「ん? アタイ?」
氷の結晶の様なハネを持つ妖精……チルノが自分を指差しながら聞いた。
「そうだ……早くしろ」
慎はゴーグルをつけながら言う。
「いくよー!」
チルノの掛け声と共に、氷が生えてくる。
雪原に障害物が出来上がった状態になる。
だが、氷が露わになるわけではなく、氷に雪が纏ったような感じだ。
「サンキュー……」
慎はぼそりと呟くと、雪原の坂を滑り下りた。
「おぉー! 和音さん、あれはなんですか!?」
文は興奮したのか、和音に食いつくように聞き入る。
「あれは、スノーボード……あいつ、ジェットコースターすら乗れないのに、なんで?」
和音は面白くないのか、表情が厳しい。
慎は滑っている最中もチルノの作った障害物で、トリックを決めていく。
「カッコいいです! ねっ、和音さ……ん?」
文がこの時見た和音の表情は嫉妬する修羅だったとか……
慎は障害物が無くなり、滑り終えるとゴーグルを外す。
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