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「いくわよ~……位置について……ヨーイ、ドン!!」
霊夢の掛け声で、一斉にスタートする。
和音、美鈴、チルノ、慎、玲医の順番だ。
「はははっ! オレ、最強!」
和音は態勢を低くし、更にスピードアップをする。
「くっ……速いです」
美鈴も必死に食らいつくが、差は開くばかりだ。
「僕のソリテク……フランちゃん! れいせーん!」
玲医がソリに乗りながら叫ぶ。
「おにーちゃん、どうしたの?」
「何事ですか?」
たいしたスピードが出ていないのか、フランと鈴仙が玲医のソリの横にピッタリとつく。
「二人とも……乗って」
玲医の言葉に戸惑いつつも、フランは玲医の前に……鈴仙は玲医の後ろに乗った。
「玲医さん、何を?」
鈴仙が玲医の耳元で囁き、聞く。
「コレで僕の勝利は確実だ!」
玲医は自信に満ちた表情で答える。
「美鈴……邪魔だね、スターボウブレイクでも――」
「大丈夫だよ、フランちゃん」
右手を光らせながら言ったフランを玲医が止めた。
「ほら、速くなる……」
玲医の言葉通り、彼らの乗るソリはスピードをどんどん増していく。
「じゃーね♪ お二人さん」
フランが嬉しそうに笑いながら言う。
二位争いをしている美鈴とチルノをあっという間に抜かしていく。
和音がゴールに着こうとした刹那、瞬間的に彼を抜かした影があった。
「なっ、慎か……!?」
和音は悔しそうにその影を見るが、それは慎では無く、玲医たちだった。
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