―幻想郷―

8/25
前へ
/97ページ
次へ
「よし、帰るか……」  慎はボードを雪に刺し、レミリアや霊夢達が居る方へ向かう。  既に日が沈みつつある。 「おにーちゃんまって!」  フランが慎の後を追う。 「あっ、フランお嬢様、慎さん待ってください!」  美鈴もスキーを外し、歩くがスキーブーツで歩きにくそうだ。 「オレ達も行くか……」  和音の言葉に玲医たちは頷き、上を目指す。 ――― ――――― 「咲夜~、お腹すいた……」  紅魔館への帰り道……レミリアが咲夜に言う。 「着きましたら直ぐにご用意しますね」  咲夜は笑顔で答える。 「今日はなんなの?」  フランが見上げながら咲夜に問い掛ける。 「今日は寒いので……シチューかグラタンにしようかと……」  咲夜が答えると、フランは笑顔でうなづいた。 「慎、手伝ってね♪」  咲夜は前を歩く慎の手に触れながら言う。 「ぁっ……あぁ、分かった……」  慎は動揺したような表情で答えた。 「そうだ……材料買わないと……」  咲夜はふと思い出したように言う。 「美鈴、お嬢様をお願いしていいかしら?」  咲夜は美鈴に言うと、美鈴は笑顔で引き受けた。 「じゃぁ、慎……咲夜を頼むわよ?」  レミリアがクスリと口元に手を当てながら言った。 「あぁ、わかっ――」 「慎、行くわよ♪」  慎が振り向くと同時に、咲夜が彼の腕を引いた。
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

342人が本棚に入れています
本棚に追加