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「ちぃっ!」
斬っても斬っても再生するしつこさに、クラウスは思わず舌打ちをした。
日が沈んだと同時に現れたアンデッド達。
カルナのように家の中にはおらず、路地を歩いていたクラウスとミーナは、強制的な戦闘へと陥っていた。
狭い路地では不利過ぎるので、どうにか大通りに出て来た訳だが、今や360゚を包囲されてしまっていた。
「らぁっ!」
気合いと共に光の魔力を纏わせた剣を振れば、一気に十数匹のアンデッドが吹き飛ぶ。
しかし、幾ら斬ってもそこから再生するので意味がない。
背中はミーナに守って貰っているが、やはりミーナも苦戦しているようだった。
「……仕方ない。
ミーナ、一旦街の外に出るよ!」
この位置からでは、教会よりも街の門の方が圧倒的に近い。
体勢を立て直してもう一度突入する方が無難だと判断したのだろう。
「分かったわ!」
進路を真逆に変更。
街の中心にある教会ではなく、門へと歩を進める。
勿論アンデッドが簡単に通してくれるはずもなく、肉の壁のようになって次々と襲い掛かって来る。
行く手を阻む動く屍を尽く打ち倒し、どうにかクラウス達は街の外へと脱出することに成功した。どうやらアンデッド達は街の外には出て来ないらしく、クラウス達が出ていくと同時、街の中へと散って行った。
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