行き倒れと沈黙の森林街

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────────── 「こちらですのじゃ……」 背筋は折れ曲がり、杖が無ければ歩けない程に足がふらついている、町長と名乗った老人。 クラウスとミーナはその後ろから着いて来ていた。 街を出てから、大体15分程であろうか。 老人のペースに合わせているので、おそらく徒歩5分程度の距離。 そこに、まるで森のように奥まで広がる、テントの村があった。 「うわーお……」 小型なものから大型なものまで色とりどり。 数え上げるのも一苦労な数が密集しており、そしてその全てに明かりが燈っていた。 テント1つにつき2、3人がいるとすれば、恐らく2000人は下らないだろう。 「この人達は……」 「ええ、あの街──森林街の住人ですのじゃ」 ぽつりと漏らすように呟いたミーナの問いに、少し苦しそうに答えた老人。 老人はテントの森の中でも際立って大きなテント──コテージと言ってもいい程の──の入口の垂れ幕をめくると、クラウスとミーナに手招きした。 その招待に応じ、中に入る二人。 中にはベッドと机と椅子、それと少しの家具といった、生活するのに最低限必要なものしかなかった。 「座ってくだされ」 その言葉を合図に、無言で席につく三人。
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