波瀾の幕開け

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「……んで、なんの用だよ」 カルナは、あの後しばらく涙目で腕と腹をさすっていたが、やっと痛みが取れたのか父親に疑問を投げかける。 「ああ なんでも、勇者様が連れになる人を探しているそうなんだ」 「……勇者って、あの勇者?」 「当たり前だろう 村に来てるんだ」 勇者。 それは、王国(この世界を支配している国)に認められた職業。 世界に数えるほどの人数しか存在せず、ツチノコ並に遭遇率は低い。 勇者の目的はただ一つ。 この世界に蔓延る(はびこる)魔物の元締である魔王を討伐すること。 太古から存在する魔王は、人間にとって脅威以外の何者でもない。 よって王国は魔王討伐のために勇者という職業を作りだし、強者を集めた。 それが勇者の始まりである。 ただ、何度倒しても魔王は何年後かには新しい世代の魔王へと鞍替えされてしまうので、果てしないいたちごっこになってしまっているのだが。
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