・冬が来る前に。

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「殺生丸様」 「…何だ」 「もうすぐ冬になりますが…そろそろ探した方が良いのでは?」  邪見は岩の上に座るりんをチラリと見た。 「…そうだな」  そろそろ探すか。  冬を過ごせる場所をー。 「殺生丸様、どこへ向かっているのですか?」  りんは小走りで殺生丸の後を追う。 「冬を越せる場所を探している。…どこかに小屋があれば良いがな」 「もうですか?」 「そうじゃぞ、りん。ワシら妖怪はまだしも、人間のお前は下手したら凍死してしまうぞ」  その一言に、りんはぴたりと足を止めた。 「…りん?」 「ありがとうございます、殺生丸様」  花のような笑顔でそう言うと、殺生丸の「もこもこ」に抱きつく。 「…行くぞ」 「はい!」  どこまでもついて行きます。
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