序章-始まりの桜-

3/5
前へ
/25ページ
次へ
朝 学園前に一台の車が停まる いかにもお金持ち感を漂わせた外装である がちゃ  と運転席から降りた運転手が後ろの扉を開ける それはまるでマンガのような光景だった 中から1人 髪の長い金髪の女生徒が降りてくる 周りにいた他の女生徒が彼女をあっという間に取り囲んだ 「上之宮様!おはようございます!」 「上之宮様鞄をお持ちします!」 女生徒たちは彼女上之宮玲菜の鞄を持とうとしたり横に並んで歩こうとした しかし大人数でそんなことをしようとすれば大変なこととなる この場合も例外はなく、それは玲菜にもおそってきた 「…!」 玲菜はその状態を見ると つい と指を一本たてた と、同時に雪崩状態になっていた女生徒たちの体勢が元通りになった 「皆さん気をつけてくださいな」 玲菜は比較的のんびりした声でそう言うとその場を去っていった そこに残されたのは呆気にとられながら 「いや~ん!上之宮様かっこいいー!!!」 等と叫んである女生徒だけだった と言いたいところだが これが朝であるかぎり登校してくる生徒はたくさんいる 例えその生徒が玲菜のファンでなくても今の雪崩には巻き込まれたことだろう まさに巻き込まれた生徒が1人いた
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加