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『こちら、カゲトラ・アマノよりプラチナへ。目標確保。任務完了。これより帰艦する。』
機械的、事務的な報告。
プラチナブリッジ、マナミとは問題なく繋がり、報告は無事受領された。
ひとまず、任務は完了である。
『プラチナ、了解ですぅ。あの……………掃討戦、アインスト達は…………どうなったんでしょうか……………?』
レーダー上、モニター上で、プラチナも大まかな状況は確認していただろうが。
遠隔地からの断片的な情報では、訳がわからないといった状態に陥っても、致し方はない。
なにせ現実、実際に目の当たりにしたメンバーですら、信じられないといった、どこか空恐ろしい光景だったのだから。
当然、状況を上手く説明できる者などいなかった。
『あの……………皆さん、応答を……………?アインスト達は……………?』
再びのマナミの問い。
トラは小さくため息をつくと、見たままを正直かつ簡潔に伝える。
『全員、鬼に喰われちまったよ。』
『え………………?鬼……………ですか…………?』
『帰艦後、詳しく報告する。以上だ。』
それきり回線を切ると、トラのゴーストMK-IIが先立って帰艦を開始。
教導隊、神鷹部隊各機もそれに倣うよう、戦場を。
否、処刑場を後にしていった。
『鬼、か……………さて、オレはなんて報告すべきかね……………』
最後に残されたヴォルトも、1人呟きながら、ヘルヴォールを後退させる。
オペレーション・ペネトレイト。
その派手な作戦内容と、比喩でもなんでもなく、日本という国の行く末を左右した戦いだったことからも、後々まで有名となる一戦である。
しかし。
その翌日、日本各地で行われていた掃討戦、関東方面の一戦場で行われた戦い。
結果的に、後々「世界」そのものを巻き込むこととなるその戦いは、意外にもあまり知られてはいない。
しかし、それを間近で見ていた教導隊や、自衛隊である神鷹部隊、そして一部米軍機。
更に、撤退を言い渡されたが、納得がいかないとせめて間近で顛末の確認を望んだ自衛隊員達。
または、単純な機体損傷などの理由により、たまたま間近で目撃してしまった自衛隊員達ら、一部の者。
少数ではあるが、彼らの記憶に、この日は深く刻まれることになる。
巨大な紅い鬼。
それが深淵より、現世へ這い出てきてしまった、その日のことを。
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