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アマノ親子らの件もあり、クロードらが早く来すぎたためか、ヴァーシュはまだ姿を見せてはいない。
しかし、間もなく日本行き部隊も合流し、彼らも交えての報告となる。
互いが互いの情報を共有するなら、その方が早いためだ。
指定の時間までは後10分。
クロードら3人へ、マナミが着席しての待機を促そうとしたその時。
唐突に開かれた扉から、騒がしい声が響く。
「痛ッ!!乱暴に引っ張るな!!その馬鹿力、ちっとは手加減しやがれ!!」
「これでも充分優しくしてやってんだぜ。いいからキリキリ歩け!!」
現れたのは、アポロとサイファー。
片や全身に包帯、片や上半身を固そうなロープと、いずれもぐるぐる巻き。
拘束したアポロ、拘束されるサイファーといったところだろうが、とにかく喧しい、異様な画であった。
「お、集まってんな。フォッグにクロード、アリー姉さん。久しぶり!!」
「アポロか。どうした、その様は。手酷くやられたようだが。」
「お前程じゃないさ、フォッグ。なんだ、その眼帯?秘められた力か何かか?」
互いの部隊の最重傷者どうしが、どこか笑みを浮かべつつ言い合う。
一方、クロードはそんなアポロの傍ら、明らかに強制的に自由を奪われているサイファーを差しながら言った。
「そんな便利なものがなかったから、この有り様さ。そっちこそ、その傷は?まさか、そこのサイファーさんが寝返って負わせた傷か?」
「冗談。この裏切り者は、きっちり瞬殺したさ。」
鼻で笑いながら、サイファーを見下ろすアポロ。
サイファーは怯む様子もなく、嫌味たっぷりに言い放った。
「そうだったな。その後、総隊長に呆気なく瞬殺されたんだっけな。」
「うるせぇ。」
サイファーの首を、裸絞めの要領で、思いきり締め上げるアポロ。
「ちょ………………苦………………死……………!!」
たちまち、血の気を引かせた青い顔色となるサイファー。
その裏切りと、総隊長というキーワード。
とにかく、訳のわからないクレメンテ公国行き部隊だったが、それもこれから明らかになるだろうと急くことはない。
それよりも、本気でタップを繰り返す、今にも頸の骨をへし折られかねないサイファーに、不安を感じているくらいだった。
そこへ姿を現したのは、マコトとシャオである。
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