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「こんにちは」
「こんにちは。川から上がったらどうかね? そのままだと体を冷やすぞ」
川渡しの呼び掛けに笑みを浮かべて頷くと、川岸に向かって歩きだした。
川に流される事なく歩いてくる少女を、川渡しは興味を持って少女が来るのを待っていた。
時の川は穏やかな流れの見た目に反して、水量があるぶん流れは早い。
川の流れに逆らえず流されていくものを、川渡しは幾度も引き上げてきた。
しかし、今までの常識を覆す現象が目の前で起きている。
少女は川から上がると、川岸で座って待っていた川渡しの前まで来ると、優雅な仕種で頭を下げた。
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