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「はじめまして。私、蜜風といいます」
「川渡しだ。時の川の水は冷たい。体や着ている服を乾かそう」
色々と聞きたいことはあるが、その前に少女の体を温めることが先だ。
少女の為に火をおこそうとする川渡しに蜜風は首を振った。
「お気遣いありがとうございます。ですが、これは自分で乾かせますので大丈夫ですよ」
「そうなのか?」
意外な言葉に思わず手を止めた川渡しに対し、少女は笑顔で頷いた。
密風は右手を軽く鳴らすと、体の周りを赤い光の筋が走る。
突然の事に驚く川渡しの前で、少女の服や髪がみるまに乾いていき、光が消えると同時に青白く見えていた肌は薄く赤みを帯びていた。
「凄いな。どうなっているんだ?」
「魔法を使いました」
「まほう? なんだ、それは?」
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