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「うわ、寒いってミド」
「そう? 目覚ましにちょうど良いんじゃない、たまには換気しないと教室にキノコ生えそうだし」
「目覚ましってあれ、また俺寝てたのかあ。てかそんな短期間にキノコ生えない……よね、わかんないけどとにかく閉めて閉めて」
高瀬君が彼の前の席の友達と話しているのを聞きながら、黒い弁当箱を開く。
窓はすぐに閉められ、高瀬君は自分の席に戻る。
彼は高瀬深緑(たかせ みどり)が本名だけど、女の子みたいな名前で呼ばれるのが嫌だと言うから昔から略してミドと呼ばれているらしい。
ちなみに例外なく初めは「えーと、ふかみどり君?」と聞かれるらしい。
うん、そうですよね、私も思った。
それから高瀬君は名前も変わっているけど、性格も少し特徴的な人だ。
基本無表情で、周りが笑える範囲の毒舌で喋ることが多い。
林さんいわくドSらしい。
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