冬の訪れ

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 肌を刺すような風が吹き抜けた。空からはちらほらと白い妖精達が舞い降りている。少々曇りがかった冬の空の下、私は高校へと向かって歩いていた。    辺りは早朝なだけあって人はあまり見ることもない。昨日から降り続く雪がうっすらと道を白く染めるだけ染めて、そこに足跡を残しながら歩く数少ない人々の中に、我が校の生徒達がいくらか見える。    高校に近付くに連れて制服やマフラーで身を包む生徒達が増えてきて、必然的に友達との出会いも産まれるのだ。   「あ、圭子(けいこ)ー。おはよう」    横を見れば坂を上がってくる同じクラスの友達、美香(みか)が駆け寄ってきた。防寒対策はセーターのみ。寒くないのだろうか。   「おはよう。今日は寒いねー」   「今年の初雪だからね。もう冬だねぇ」    間延びした声に暢気な台詞。それが美香の性格を良く表していると私は思う。いつも朗らかな美香は話していて飽きない友達だ。   「そういえば初雪か。今年のクリスマスとか、やっぱり一人なのかな?」   「その時は一緒にパーティーでもやろうよ」   「そうだね」    とはいえ、やっぱり私も彼氏が欲しい年頃だ。候補が居ない訳じゃないんだけど、好き嫌いの話になるとやっぱり怖じ気づいてしまう。
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