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「敵の動きはどうでしょうか。ウル」 「姫……、敵はまだ大それた動きは示してはいませんが……。 近々大規模に仕掛けてくるでしょう」 「貴方がそう言うのなら、そうなのでしょうね……」 とある城の一室。完璧な白に統一されたその場所に、一人の女と男がいた。 女は純白のドレスに身を結び、小さな王冠を頭に乗せている。 まだまだ若いその女が座るのは王座。 そんな場所に座る女は、緩くウェーブのかかった黄金の髪を揺らし、全てを許してしまいそうな程の優しい笑顔を携えていた。 その女へとひざまずく同じく白い戦闘服を纏う男は、長いブロンドの前髪で片目が隠れているが、片方から覗く切れ長の目には、確かな力が宿っている。 「ご安心ください。この私がいる限り、姫には指の一本も……」 「もう、私は姫じゃなくて、もう王なのですよ?それに名前で呼んで欲しいといつも言っているではありませんか」 女が茶化すように笑う。男はその表情を崩さないまま目を瞑ると、音もなく立ち上がり、踵を返した。 「……失礼致します」 女は、離れていく男の背中を少し不満そうに見つめるも、再び笑顔になった。 「頼りにしていますよ、ウル。私のナイト様」 扉に手をかけたウルは一瞬その所作を停止した。 「この断罪の剣に懸けて。我が主、光王よ」 振り返ることもなく呟き、部屋を出ていった。 .
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