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先生は、鞄の中から丸い球体を二つ出した。
それは、転送用の魔道具だった。
『戦うフィールドは森に成ります』
『森ですって!』
森が嫌なのか、上之宮は、苦い顔をした。
先生は魔道具に魔力を込め始めた。
『地形の利を活かした戦術を期待していますよ』
どうやら、魔道具に魔力が貯まりきったらしい。
俺達は、魔力の貯まった転送魔道具に手をあてた。
次の瞬間、俺と愛流は、緑が生い茂った木と大きな岩山の有る知らない森の中に居た。
人の気配は感じられない、恐らく曽根川と上之宮とは離れた場所に居るのだろう。
『頑張ろうね、聖君』
炎を出しながら愛流は言った。
『で、それは何のコスプレなんだ?』
愛流は緑色の制服のコスプレをしていた。
『戦闘って言ったらやっぱりシャナちゃんでしょ』
一流の魔術師は各々の正装を着ることによってモチベーションを一定に保つみたいだが
愛流の場合は、変身魔法でコスプレをすることによってモチベーションを上げているらしい。
『ところで、あの二人はどんな魔法が得意なんだ?』
『ひかるちゃんは、接近戦タイプの戦術で、精霊は炎系の猿でモンキチて言うらしいよ』
『曽根川らしいな』
『玲菜ちゃんは、中遠距離タイプの戦術で、精霊は水系の海豚【イルカ】でアディて言うらしいよ』
『中遠距離か、やっかいだな』
『玲菜ちゃんは、特に水弾の魔法が得意で野球の球ぐらいの大きさなら20発を発動できるみたい』
『愛流、良く知ってるな』
『転送前に恭吾君から渡された紙に書いて有るよ』
愛流は俺に紙を差し出したそこにはスリーサイズまで書かれていた。
『さすがは、恭吾だ』
俺は思わず凝視してしまった。
『この紙を参考に作戦を考えておくか』
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