第4章 戦闘開始

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先生は、鞄の中から丸い球体を二つ出した。 それは、転送用の魔道具だった。 『戦うフィールドは森に成ります』 『森ですって!』 森が嫌なのか、上之宮は、苦い顔をした。 先生は魔道具に魔力を込め始めた。 『地形の利を活かした戦術を期待していますよ』 どうやら、魔道具に魔力が貯まりきったらしい。 俺達は、魔力の貯まった転送魔道具に手をあてた。 次の瞬間、俺と愛流は、緑が生い茂った木と大きな岩山の有る知らない森の中に居た。 人の気配は感じられない、恐らく曽根川と上之宮とは離れた場所に居るのだろう。 『頑張ろうね、聖君』 炎を出しながら愛流は言った。 『で、それは何のコスプレなんだ?』 愛流は緑色の制服のコスプレをしていた。 『戦闘って言ったらやっぱりシャナちゃんでしょ』 一流の魔術師は各々の正装を着ることによってモチベーションを一定に保つみたいだが 愛流の場合は、変身魔法でコスプレをすることによってモチベーションを上げているらしい。 『ところで、あの二人はどんな魔法が得意なんだ?』 『ひかるちゃんは、接近戦タイプの戦術で、精霊は炎系の猿でモンキチて言うらしいよ』 『曽根川らしいな』 『玲菜ちゃんは、中遠距離タイプの戦術で、精霊は水系の海豚【イルカ】でアディて言うらしいよ』 『中遠距離か、やっかいだな』 『玲菜ちゃんは、特に水弾の魔法が得意で野球の球ぐらいの大きさなら20発を発動できるみたい』 『愛流、良く知ってるな』 『転送前に恭吾君から渡された紙に書いて有るよ』 愛流は俺に紙を差し出したそこにはスリーサイズまで書かれていた。 『さすがは、恭吾だ』 俺は思わず凝視してしまった。 『この紙を参考に作戦を考えておくか』
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