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AM8:00 場所:道路
『おはよう』
『おはよ~』
桜の花びらは散ってしまって既に跡形も無いそんな5月の日 俺、神山 聖は、朝の挨拶が飛び交う中、歩いて学校に登校している最中だ。
名前の【聖】は【さとる】と読む 成績・運動神経共に中の下な俺には似合わない神々しい名前だと常日頃思っている。
そんな俺は、光ヶ丘学園の高等部に通っている高校二年生だ。
光ヶ丘学園は、小・中・高が一緒の敷地内に有る学園で都市にも近い位置に在る。
『聖君、おはよう』
栗色の髪の毛に特徴の有る、触角の様な髪型をした女の子が俺に話掛けてきた。
女の子の名前は、天美 愛流【あまみ あいる】
いつも前向きで太陽のように明るく元気な俺の幼馴染だ。
ちなみに趣味はコスプレである。
『聖、おっす』
次は、いかにも今時風の若者を象徴した様な男が話掛けて来た。
こいつの名前は、水樹 恭吾【みずき きょうご】
何故か色々な情報を持っている俺の中学時代からの友達だ。
ちなみにフラれた数は教えてくれない。
二人とも同じ中学出身で、今でも同じ学校に通っている中の良いクラスメイトだ。
『相変わらず眠たそうだね、聖君は』
心配そうな顔で俺の顔を見上げる愛流
『どうせ遅くまでゲームでもやってたんだろ?』
小馬鹿にした様な口調で俺の肩を叩く恭吾
『昨日は、少し しかやって無いよ』
もちろん『少し』と言うのは嘘でだが、いつもよりは早めに寝たと言うのは、本当だ。
『そういえばさぁ~今日の一時間目って技術の授業じゃん~俺あの授業苦手なんだよね』
だるそうな口調で恭吾が言った
『俺も』
手を上げながら相槌をする俺
『授業サボっちゃうか?』
『良いね~』
冗談混じりで会話をしていると怒った顔で愛流が俺たちの間に割り込んで入って来た。
『もう、二人ともちゃんと授業を受けないと立派な【魔術師】に成れないよ』
魔術師?
この言葉を聞いて疑問に思う方も居るだろう。
魔術師とは、ゲーム等で出てくる魔法を操る人
実は俺の通っている学校には、魔法という教科が有るのだ。
魔法・・・・・
昔の俺は魔法の存在なんて信じていなかった。
しかし、俺の いや、世界の感覚はとある外人の一言によって一新した。
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