第2章 はじまり

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――6年前―― 今より6年前、当時9歳だった俺は夕食前に好きなテレビアニメを観ていた。 『もう、誰も止められない、世界は私の物だぁぁぁ--』 いかにも悪役みたいなキャラが言った。 『しょうがないな、だったら俺が世界を救ってやるよ』 主人公風のキャラが答えた。 そう、どこにでも有る様な冒険物の王道アニメだ。 『うぉぉぉぉーマジ鳥膚物だよ』 ソファの上で跳ねながら、興奮状態の俺。 すると、いきなりテレビの映像が切り替わった。 『なんだよ今、良いとこだったのに~』 テレビの画面の左上には、LIVE小さく書かれていて、画面の中央には黒人のアメリカ人が一人、机の前に立っている。 『うるさいわよ んっ!?緊急生中継?』 母がキッチンから出てきてびっくりしたようにテレビに向かって言った。 『アメリカ大統領より、皆さまに重大な発表が有るとの事です』 テレビで聞き覚えのあるニュースキャスターが深刻そうな声で言う。 テレビの画面に映っている外人は当時のアメリカ大統領だった。 大統領はコップに入った水を少でゆっくりと喋り始めた同時に通訳が不思議そうな声で言った 『この世界には、魔法が存在していますと言っています』 『はぁ?』俺はテレビに向かって呆れたように言った。 9歳の俺でもわかる、世界に魔法と言う異能の力は存在しないと。 『何の冗談だろう?』 母は、苦笑しながら言った 記者たちの声だろうか?テレビからも、笑い声とざわつきが混じって聞こえてきた。 そして、海外からの生中継が終わって今度は日本人がテレビに出た。 日本の総理大臣だ。 総理大臣は汗をハンカチで拭き、言葉を詰まりながら喋り始めた。 『只今、アメリカの大統領から発表が有ったことは本当のことです』 『魔法は、実在し、世界の陰で伝承されてきました』 『世界は魔法の存在を公にして魔法の発展を考えています』 『よって本国でも来年より全国に魔法を勉強する為の学園を設立する事を宣言します』 観ている殆どの人が状況を呑み込めないであろうその時、
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