第3章 授業開始

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遅刻しそうになった俺らだったが、なんとか間に合いホームルームを終わらせた。 一時間目は魔法技術の授業だった為、男女に別れて体育着に着替え校庭に集合した。 魔法の授業には大きく分けて2種類有り、 机の上などで、魔法の歴史や理論等を勉強する論術学と 実際に魔法を使用する技術学の授業が有る。 『今日の授業は予定を変更して、模擬戦をしたいと思います』 出欠を取り終えた先生がいきなり言った。 『えぇー!!』 授業を受けている生徒の半数以上が抗議している 『本日の模擬戦は2人のチームを組んでタッグマッチをやってもらいます』 『ルールは簡単でみなさんには、この鈴を取り合って貰います』 チリーンチリーン 先生は鈴を俺達の前で鳴らして見せる。 『ちなみに相手を殺してはダメですよ』 『……』 笑顔の先生に対して俺達の顔は引き攣っていた 『名前を呼ばれた人は、前に出てきて下さい』 『なんで授業内容を変えたんだと思う?』 不思議に思った俺は恭吾に聞いてみた。 『お偉いさんでも来てるんじゃない?』 駐車場に止まっている学校には似合わない黒光りしたセダンを指さしながら恭吾は言った。 『お偉いさんねぇ』 『まずAチームは…… 曽根川さんと上之宮さん』 『はーい!!』 『はい』 先生の発表と共に可愛い声が聞こえてきた。 その後、生徒達が騒ぎ始めた 『おいおい、なんで二人を組ませるんだよ』 『勝ってっこねぇ』 『当った人は、可哀そうだね』 『どうか俺に当りません様に』 みんなが騒ぎ出すのも無理はない。 なぜなら二人は、学年でも珍しい精霊契約者だからだ。 一般の魔術師は、個人の精神エネルギーを媒体に属性コードを組み魔法を発動させる訳だが、 人間の精神エネルギーには限界がある為、使える魔法にも限界ができる。 しかし、精霊契約をすることによって精霊の力を借り、より強力な魔法も使えるようになる。 さらには、契約したその精霊の属性に合わせた属性魔法を特化することもできる。 精霊と契約する方法は、色々有るが、基本的には精霊と利害が一致した場合や、気が合った場合、精霊が契約者を気に入った場合等に結ばれる。 つまり、精霊が契約者を選定するのだ。
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