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「そういう嘘やめてよ~
心臓に悪いから」
「ごめんごめん」
謝ってるわりには悪びれてる様子がないんですけど…
まぁ、いつもこんな感じで市花にからかわれながらお昼を過ごしていた
それが当たり前だった
だけど…
この日から私の平穏な日々は失われてしまった
「なぁー」
背後から誰かが呼びかける声がした
まさか自分に話しかけてるなんて思っていなかった私
気にした様子もなくオムライスを食べていた
「おい、無視すんなよ」
やけに近くから声がするな…なんて思っていたら市花が私の肩を叩いた
「夏希…あんたに話しかけてるんじゃないの?」
「え?」
思わず振り向いた私の目の前には、機嫌の悪そうな男の子が立っていた
「えっと…私に用かな?」
私が尋ねると男の子は黙って頷く
同じクラスの男の子ではないし、それに名前も知らない
一体この男の子は私になんの用があるんだろ?
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