#1 異世界よ、こんにちは

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頭の中いっぱいに疑問符を浮かべて、剣悟はもう一度辺りを見回した。 何か現状を打開できるものを探して……ふと右斜め後ろへ視線を巡らせたとき、そこにそれはいた。 いや、思いっきり見つめられていた――美少年(?)に。 はっきり言って性別は不明、まるでRPGの魔法使いのようなローブ姿。 ローブの色は、周囲の森に溶け込めそうな深緑で、濃い栗色の髪と眼に似合っていた。 そしてその眼に星の瞬きのような光を宿して、剣悟をガン見している。 「…………」 「…………」 沈黙。無言。 微妙な空気を感じているのは自分だけだろうか。 いくら目は口ほどにモノを言うとか、眼で語るとか言っても限度がある。 初対面の相手に眼で語られても……と、少しげんなりして心の中で覇気のないツッコミを入れてみる。 (いや、まぁ、何かすんげー期待してるのはわかるけど……)
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