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頭の中いっぱいに疑問符を浮かべて、剣悟はもう一度辺りを見回した。
何か現状を打開できるものを探して……ふと右斜め後ろへ視線を巡らせたとき、そこにそれはいた。
いや、思いっきり見つめられていた――美少年(?)に。
はっきり言って性別は不明、まるでRPGの魔法使いのようなローブ姿。
ローブの色は、周囲の森に溶け込めそうな深緑で、濃い栗色の髪と眼に似合っていた。
そしてその眼に星の瞬きのような光を宿して、剣悟をガン見している。
「…………」
「…………」
沈黙。無言。
微妙な空気を感じているのは自分だけだろうか。
いくら目は口ほどにモノを言うとか、眼で語るとか言っても限度がある。
初対面の相手に眼で語られても……と、少しげんなりして心の中で覇気のないツッコミを入れてみる。
(いや、まぁ、何かすんげー期待してるのはわかるけど……)
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