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「ひ、雛子??」
ドアを開けると、担任と教育指導の佐々木が立って話をしていた。
私に気づいた担任は、どうした?と聞いた。
「先生…?雛子は??」
「……今、病院まで行った。」
その担任の言葉に、私は動揺を隠せずに、声を荒げる事になってしまった。
「…何があったの?!雛子、そんなに酷い怪我したの!?佐々木先生見たんでしょ?!大丈夫なの??」
興奮した私を宥めようと、鈴木先生が肩を力いっぱい掴んだ。
「大丈夫だよ、きっと。今、傳先生が一緒だし、お前は次の授業があるだろ?安心して教室戻りなさい。」
次々と頭を過ぎる悪い事に、不安ばかりが募り、涙が溢れた。
「心配するな、本当に怪我はちょっとしたものだから。」
「…うん…」
「わかったら、戻りなさい。」
「…はい」
私の心配を余所に、雛子とは会うことは出来なかった。
後日、雛子の怪我は本当に軽いものだったと本人から連絡が入った。
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