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目を覚ましたのは見覚えのない白い天井。周りは白いカーテンに囲まれていて、ボサボサの黒い髪の保健室の先生が心配そうに私を見ていた。
「…気がついた?」
先生はさっきまでの心配そうな顔をふわっと綻ばせた。
私はとっさに反対方向に身体を向けて、布団を深く被った。
「なんで先生がいるのよ」
ぶっきらぼうに私が言うと、先生は直ぐに答えた。
「先生だから」
「何よ、どうせ、説教とかするんでしょ」
すると先生は布団の上から私の頭を撫でた。
「うん。……ほかの先生だったらね」
「え?」
「さぁ、よくなったら帰ろうか。」
先生は椅子から立ち上がると少し背伸びをした。
「勝手に帰ればいいじゃないですか」
「雛子ちゃんは?帰らないの??」
「先生に関係ないじゃない。早く帰れば?」
「…そっか、わかった。じゃぁ、気をつけて帰るんだよ」
そう言って先生は部屋を出ていった。遉に言い過ぎだったかな、と後悔した。
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