先生

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私は屋上で青空を仰ぎ、このまま時が過ぎればいいなんて考えていた。 風に靡いた髪の毛が擽ったいが、頬を撫でる風は心地好い。 ふっと目を閉じて意識が遠退いて行く時、目の前が陰った気がして、ゆっくり目を開けた。 「またお前か!勝手に屋上の鍵盗って来てるのは。」 教育指導の佐々木だ。 筋骨隆々で角刈りの見るからに暑苦しい感じだ。何かと口煩くて、鬱陶しい。 「今、授業中だろ!お前、3年で受験生なんだから、危機感もて!教室、戻るぞ。」 折角気持ち良く寝ようとしてたのに、と溜息をつくや否や無理矢理腕を引かれ、屋上から追い出されるように校内へ引きずられた。 今更教室に戻るのも気まずいな、と考えた私は立ち止まり、仮病を使って保健室へと逃げる作戦に走った。 「先生、お腹痛くなってきたんで、保健室行かせてください。」 「どうせ仮病だろ」 遉に一筋縄じゃいかないと思っていた。 「本当です。多分、さっきまで屋上で腹だして寝転んでたからですよ、冷えたみたいです。」
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